高崎プレイルームは2016年10月に前橋プレイルームとしてスタートし、その後、高崎に移転し今年で5年を迎えました。
全国のプレイルームの中ではまだまだ若輩者で、講師として未熟なところが多く、周りの方々に支えていただきながら日々を過ごしています。
私が、なぜ『わくわく創造アトリエ』を開設しようと思ったのか、アトリエ講師をライフワークとして選んだのか。ここに至ったのは一期一会、様々な出会いのおかげです。私は美大を卒業しているわけではありませんし、まさか自分がアトリエ講師になれる、なるとは思ってもいませんでした。ただ、『和久創造共育』という共育に出会い、共感し、感動し、こんな環境がつくれたらなんていいだろう。つくりたい。という思いだけでスタートしました。
私はわくわく創造アトリエを開設する前、主人が経営する会社で共に経営者として仕事をしていました。28歳で経営者となりましたが、それまで経営など学んだこともなく、必死に毎日を過ごしていました。失敗ばかりで「もうやめたい、早くやめたい」と泣いてばかりいました。それでもやめられない。やるしかない。という立場は私を強くし、苦しくても何かを乗り越えたときは大きな喜びと充実感が味わえることを学べました。経営していて一番辛いのはスタッフとの関係でした。
私自身感じていたことは、「自分が従業員として仕事をしていた時に上司の指示だけで働いていてつまらなかった」ということです。
経営者になってみて分かったことは、自分で決断して、自分がやってみたいと思うことを夢中でやってみると、失敗しながらもやり遂げた仕事は楽しい!ということでした。こんな喜びをスタッフにも感じてほしい。いつもそう思っていました。
そこでスタッフに対して「なにかチャレンジしてみたいことはないか」「なにかやってみたい企画はないか」「どんな仕事がしたいか」と会議で問いかけても、「やりたいことが見つからない」「失敗はこわい、失敗したくない」「特にありません」「みんなと同じでいいです」「今まで何かに夢中になったことがないので充実すると言われても…?」という答えがほとんどでした。
とても能力のあるスタッフ達です。依頼した仕事は正確に早くできます。
でも欲張りですね。もっとスタッフの能力を引き出すにはどうしたら良いのだろうと考えてしまうのです。
その後、自分に娘が産まれた時にもスタッフに対してしたように、同じことを願ったのです。
「自分で考え、自分で判断し、自分で行動できる子に育ってほしい。自分で解決する力をつけてほしい。人として豊かに育ってほしい。やりたいという意欲を大切にして、この子の持っている資質を引き出せたら…」ということでした。でも、どうしたら?
これに応えてくださったのが和久先生でした。和久先生のことは娘が生まれる前から知っていましたが、「積木の人」くらいしか知りませんでした。
ちょうど前橋で和久先生の講演会があるとのお誘いを受け、参加してみました。講演をお聴きして、先生の言葉の中に求めていたものが沢山つまっていました。「これだ!」「こんな子育てをしたい」「こんな人育てをしたい」と強く思いました。「和久創造共育をもっと知りたい」とそこから始まった東京通いです。知れば知るほど奥が深く、今の私もまだまだ理解が追いついていません。それでも知りたい。この共育を広めたい。この共育を実践できる環境をつくりたい。自分の娘だけでなく、多くの子ども達にも届けたい。同じ親として保護者の方にも、「こんな素敵な子育てがありますよ。みんなで幸せになる子育てしましょうよ」と伝えていきたい。その願いからのアトリエ開設でした。
開設から5年。毎回子ども達に感動をもらっています。同じように説明して、同じように材料を用意し、できあがる作品の「みんなちがってみんないい」という世界。試行錯誤し、自分で考え、手を動かしてつくる作品。「できた!」と満足そうに輝く子ども達の顔は凛々しくて、この顔見逃したくない!と思う瞬間ばかりです。
お迎えにきたお母さん、お父さんに自分の作品を紹介する姿。できあがった作品を前にして、自分がどんなにこだわった作品づくりをしたかの懸命な説明、そんな話を聞くと「そんなこと考えながらつくっていたのね!」「そんな風に感じていたのね」と驚きの連続です。
誰かに評価される場ではなく、自分が感じたこと、自分でやってみようと思ったこと、自分の力で自分を表現する場所になった。たくさんの方に応援していただいて高崎プレイルームという場所があることに感謝しています。
私はまだまだ講師として力不足です。失敗ばかりです。でも、アトリエの子ども達は私の成長を助けてくれて、待っていてくれます。そして私に講師としての喜びを与えてくれます。子ども達の成長に追いつけるようにこれからも進んでまいります。
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