わたしにとっての創造共育 わたしにとっての創造共育

『生きていく力』品川大井プレイルーム支部長 小島武

私が「子どもたちに生きる」ことを決断した大きなきっかけは、当時2歳だった長女が難病の疑いがあると言われた時のことです。その難病は、外見に出る病気でした。検査の結果、幸いにもその病気ではなかったのですが、そのときの辛い体験が「親は子どもに何を残せるのか?」という問いに向かい合うトリガーになりました。
外見が醜くなる中で、娘は生きていけるのだろうか?自ら命を絶ってしまうのではないか?外見が醜くなろうとも"生きていく力" になるものとは何か?私がたどり着いた答えは、シンプルなものでした。一つ目は"好きなこと・楽しいことをする"。二つ目は"外見を気にしない本当の友達を持つ"。現在の子どもたちの生活環境にそれらを求めたときに、私は楽観的にはなれませんでした。
他者を肯定できず、自殺にまで追い込んでしまう"いじめ"。好きなことを伸ばすことなく、自主性・主体性を奪う"詰め込み教育"。私は、そうした問題意識を勝手に抱き始め、何もしないでいる状態が苦しくなってきました。そうした状態で悶々としている中で、和久洋三童具館館長の書籍『子どもの目が輝くとき』に出逢ったのでした。和久館長が提唱する『創造共育法』に心揺さぶられました。
好きなことを存分にさせることが、その子の天分を花開かせる唯一の道であること。すべてのものにはつながりがあり、無駄なものなど一つもないこと。そして、子どもたちが人との違いを超えて、自分の個性を存分に発揮できる創造活動を行うことによって、"自己肯定感"、"他者肯定感"を育むことができること。
私が子どもたちに残してあげたいと漠然と願っていた"生きる力"が見事に整理され、長年に渡り『わくわく創造アトリエ』にて実践されていることが書いてありました。感動、感激した私にもう迷いはありませんでした。19年お世話になった広告会社を退職。和久館長に師事し、たくさんの方々のおかげで、アトリエを開設できることになりました。気がつけば、10年目を迎えようとしています。
創造活動を通して"子どもたちに生きる" という思いを胸に、子どもたちに生かされている日々を過ごしております。

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