第1回/連結スラット 第2回/変なかおづくり 第3回/タコ糸の彩色
【アトリエでのひとこま】
絵本『そのくもはあるひとつぜんに』を活動の冒頭で子ども達に読み聞かせしました。クモが様ざまな巣をつくっていくこの絵本は、ゴム紐をアトリエ中に張りめぐらす活動の様子と一致したことで、活動のイメージづくりの役割を果たしてくれました。
子ども達は「僕がクモになるよ!」と言って、巧みにゴム紐を絡ませて不思議な形をつくったり、クモの巣に触れないようにアトリエ中を行ったり来たりして遊びました。そんな子ども達が提案してくれた遊びの中で印象的だったのが、“だるまさんがころんだ”です。アトリエにできたクモの巣をかいくぐって遊んでいるうちに思いついたのでしょう。1人の子の提案に、他の子もピンと来たようで、クモの巣に触れないようにして、鬼の方を目指して進んでいました。 身体を目一杯使った活動に満足した様子でした。
続くタコ糸を使った彩色の活動では色水を使い、また違った活動を存分に楽しみました。(童具館プレイルーム講師 鈴木智尋)
第1回/三角の巨大オブジェ 第2回/二十面体のオブジェ 第3回/モザイク
【アトリエでのひとこま】
正三角形は3辺の長さが等しい最も単純な三角形ですが、2つ組み合わせれば「ひし形」、3つで「等脚台形」、4つでまた「正三角形」、6つで「六角形」といったように、色々な形をつくることができます。
子ども達は正三角形と、正三角形からできる形の<
ケルンモザイク>を使って、点対称の模様や花にみたてた模様をつくりながら4種類の形の関係性を直感します。
造形活動の作品は1辺50cmの正二十面体に、1人1枚着彩した画用紙を貼り付けてつくったオブジェです。幼児・幼小クラスは正三角形を4分割して塗り分け、高学年の子ども達はさらに細かく分割しました。
親子・幼児クラスの子ども達は、造形活動に入る前に正二十面体を転がしたり、みんなで持ち上げて運んだりしてから彩色を楽しみました。(童具館プレイルーム講師 鈴木智尋)
第1回/木端のスタンプ 第2回/網目剥がし表現 第3回/かずの木
【アトリエでのひとこま】
四角柱がテーマの<
かずの木>の活動を行いました。約1時間半の活動の中心を<かずの木>にしたときの子ども達の反応はどんなものか、毎日が楽しみな活動週でした。
どのクラスも、トレイに<かずの木>を入れるパターン構成や、サイコロを転がして出た目と同じ数の<かずの木>を入れていく足し算ゲームをした後に、<かずの木>でお家づくりやみたて遊びをするという流れの内容でした。
幼児クラスでは足し算ゲームをしている時間に、ゲームをせずにパターン構成を始めた子もいました。ゲームで自分の欲しい積み木の目が出なかったことが嫌だったようで、サイコロそっちのけで自由に寒色のグラデーションや点対称の模様などをつくって、色の組み合わせや変化を楽しんだ子もいました。
一方で足し算ゲームに興味を持った子は、最後に残りのマスと同じ数をサイコロで出し、ピッタリとすべてのマスが埋まった瞬間の快感が気に入り、トレイが埋まるたびに嬉しそうに教えてくれました。多い子はトレイ3、4枚分も完成させていました。(童具館プレイルーム講師 鈴木智尋)
第1回/絵画 第2回/燭台づくり 第3回/木端のスタンプ
【アトリエでのひとこま】
円柱をテーマに、絵画活動をしました。
親子クラスは白菜をメインに野菜を描き、幼児クラスはそれに加えて樽とパイナップルの中から好きなものを選んで描きました。小学生以上の子ども達には形が複雑なランタンを用意しました。
驚いたのは、絵画活動に初めて取り組んだ子どもの様子です。下書きから躊躇なくモチーフを描き、そのままの勢いで完成までもっていってしまう子もいれば、下書きの段階では少し迷った様子で恐る恐る木炭を持つ手を動かしていたにもかかわらず、いざ絵の具がでてくると、それまでの様子が嘘のように勢いよく筆を走らせた子もいました。
本当に初めてなのかと疑ってしまうほど、自由に、そして自然に絵の具を使って画面をつくってしまう子ども達を見て、そのエネルギーのすごさをあらためて実感しました。
同じモチーフを描いていても、完成する作品はまったく違います。色も違えば形も違う、さらに形が残らず抽象的な作品になる場合や、モチーフではなく自分の好きなものを描くこともあります。
共通していたことは、集中し、試行錯誤して作品を完成させているということです。そんな創造活動を繰り返す中で、子ども達は、様々な変化を見せてくれます。
次回の絵画活動では一人ひとりがどんな姿を見せてくれるのか、今から楽しみです。(童具館プレイルーム講師 鈴木智尋)
「球」はアトリエで扱う最初のテーマの形で、もっとも単純かつ子どもに最初に与えたい形でもあります。
今回の活動では、ボールと<
6色ビーズ・小穴>を使い、様々な球の動き方を楽しみました。
柔らかい<
ママボール>を握って、弾ませて、投げて、最後には斜面の上を転がしました。親子クラスの歓声や、幼児・幼小クラスの熱中している様子は言葉にできません。
子ども達のやまない興奮は、たくさんのビーズを転がしたときに最高潮を迎えました。すぐさま自分でビーズを集めて転がし始め、同じ色をコップに集めて流したり、箱に大量に集めたビーズを流したりとそれぞれの方法で楽しみました。
さらに、ビーズの動きの変化を楽しんでもらうために有孔ボードを用意しました。ダボ(木製のピン)をたくさん打った場所と打っていない場所、輪ゴムを低めにかけたところと高めにかけたところなど、ビーズを転がしながらコースづくりに試行錯誤を繰り返していました。
特に印象的だったのは幼児クラスです。<
ママボール>からビーズ遊びに活動を切り替えようとしたとき、<
ママボール>を転がしていた男の子が「柔らかいボールじゃなくて、小さくて硬いボールをたくさん転がしたいな」と囁きました。そこで「次はどうする?」とみんなに聞いてみると、声を揃えて「小さくて硬いボール!」と言ったのです。
アトリエの子ども達が球という形の特性だけではなく、素材や大きさによって生じる動きの違いも予感しているのだと、改めて教えられました。(童具館プレイルーム講師 鈴木智尋)
幼児・幼小クラスの子ども達は「ドールハウス」づくりをしました。
おうちにある椅子や机、テレビなどの家具を思い浮かべたり、遊びにいったお友達のおうちにはどんなものがあるのかを思い浮かべながらつくっていました。
また、おうちにある冷蔵庫を思い出し「冷蔵の扉と冷凍の扉、ここは野菜の扉、ここは氷!」と木端を組み合わせて忠実に再現している幼児クラスの男の子もいました。
完成したおうちには
<人形>を飾って大満足。今にもお人形が動き出しそうです。とても素敵なおうちがアトリエにたくさん並びました。
今回は、普段の生活とのつながりを感じ取りやすい造形活動だったので、完成した作品には特に愛着を持ったようでした。(童具館プレイルーム講師 鈴木智尋)