遊びや造形活動で創造力を開発するアトリエ

和久洋三先生との出会い
僕が大学の卒業論文のテーマとして「日本の幼児教育における創造性開発」をとりあげた際、何人かの専門家の方々にインタビューをさせていただいた内のお一人が和久先生でした。
インタビューのために童具館に出向き、和久先生のお話を伺った際には、先生の全身から満ちあふれるようエネルギーに圧倒されっぱなしでした。
さらに下宿へ帰宅して録音テープを書き起こしている内に、和久先生の言葉の中に自分がずっと探し求めていた答がぎっしりと詰まっていることに気づき、その興奮で徹夜も苦にならず、先生の声を一言も聞き漏らすまいとレコーダーの再生とリピートを何度も繰り返したことを思い出します。

アトリエで大切にしたいこと
2才の子どもが絵の具のチューブを手に取ります。
おぼつかない手でキャップをぐるりと回して外し、チューブを逆さに向けてギューッと絞り出します。
持ち替えた筆を握りしめ、作品の上に乗せられた絵の具のかたまりをぐいぐいと押し広げていきます。
もう一本、もう一本と絵の具のチューブをとっかえひっかえ自分で選んでは出していき、体と筆と作品がつながって離れられなくなっているかのように、混色と塗りたくりに夢中になります…。

　その姿は、自分で主体的に何かを選び、発見と表現を繰り返しながらひたむきに対象と向き合う人間の本質を象徴しているようで、その現場に立ち会わせてもらえた幸せを最も感じる瞬間です。
そんな体験の中で、「自分は出来る！」、「やったらやっただけの答えが必ずある！」、「世界は楽しくて美しいものに溢れている！」、そして「世界と自分は確実につながっている！」、「ありがたい！嬉しい！」、という生き方を大人も子どもも身につけることが出来たら、僕たちが追い求めてやまない「幸せ」の形が少しずつ見えてくるのではないでしょうか？
そのために、子どもの自発性を呼び覚まし、自主的に考えて行動するまで見守り、自ら目的を掲げて取り組む主体性を発揮させること、それがアトリエで最も大切にしたいことです。
そこで育まれた自己と他者への肯定感は、個人の幸せと社会の幸せがつながって調和する世界を実現する条件として欠かせないものになると思うからです。
その世界が目に見える形となって、遊びと作品に現れてくる。それが「和久洋三のわくわく創造アトリエ」です。
そのビジョンをアトリエの子ども達に見せてもらえることに感謝しつつ、より多くの子ども達にもその世界を実感してもらえるような環境を用意するために、スタッフともども創造的な毎日にしていきたいと思っています。
子どもと共に日々成長したいとお考えの保護者の皆様にも、和久メソッドを通じて、創造的な家庭環境と子育ての道筋が見えてくるような活動と提案をできるようにしていきます。せひ一度、覚王山プレイルームの体験参加にいらっしゃってください。お待ちしております。