わたしにとっての創造共育 わたしにとっての創造共育

『創造の喜びに浸る場所』大濠公園プレイルーム支部長 隈本ひさ

福岡市に『和久洋三のわくわく創造アトリエ』が誕生して、20年以上が経ちました。
『アリスの子ども部屋』という、子ども達が絵本と童具で遊ぶ場所として開いた小さな空間が、アトリエの生みの親になるわけです。開いて10年くらい経った頃、全国的にアトリエが展開されることになり、子ども達が夢中で遊びこんでいる童具のもつ魅力にさらに踏み込むことになりました。私は『創造アトリエ』の名前に惹かれて無謀にも出発してしまったのですが、子ども達が童具・積木を好んでみたて遊びに使う理由を知るのは、それからのことです。
何年か前の『ルームだより』にあった遊びのワンシーンをご紹介しましょう。
「さきちゃん1歳半です。シッターの襟元を掴むと「ねんね」と命令、何事?と驚いたがそこは保育士先生、素直にしたがいます。さきちゃんは丁寧に髪をとかしてくれますが櫛は積木、直方体が時々コツンコツンと頭に当たるのが少々つらいところです。真剣な表情で指先に髪の毛をとり、カットの仕草をしてくれます。まるでプロの美容師さんのようです。確かめてみるとやっぱりお母さんは美容師さんでした。憧れがこんなに小さな頃から芽生えていることに驚き、それに櫛がやっぱり直方体だったことにも驚きました」
形を感じ、使い分ける能力がすでに備わっていることを実感し、日々の遊びの中で積木のシンプルな形に触れながら、それぞれの形がもつ特性を正確に把握していることに気付かされます。みたて遊びができるための必須条件となる能力です。
また、ぷくぷくとした愛らしい手で一歳にも満たない赤ちゃんが、しっかりと掴んだ積木を真剣に見つめている写真は私の最も好きな赤ちゃんと積木のツーショットです。見つめ、触れ、次はきっとお味見でしょう。
「宇宙には見えない秩序が存在している。そして、私たちはこの秩序の中で生かされている。子ども達は、自分自身を通して、他者を通して、あるいは自然を通して、この秩序が物語っている何かをいつも知りたいと思っている。積木もまたその中の一つだ」和久洋三先生の理念です。
子ども達が自分たちのイメージを形にしようと思った時、慣れ親しんだ和久洋三の積木は信頼のおける素材として、表現を支えてくれます。ここには立方体、ここは直方体、二倍体、三倍体、円柱etc…。秩序を持った積木は、お城になり、船になり、その時浮かんだ不思議なものに。そうして子ども達は無限につながっていく世界に遊びながら心は必然・調和の快さに満たされていきます。
そして、その空間は、遊びながら思うがままに創造する喜びに浸る時間を保障してくれるところ。
『和久洋三のわくわく創造アトリエ』は、そのために存在する場所。真剣に楽しんでいる超若いアーティスト達と時間を共有できる幸せ者は、『和久洋三のわくわく創造アトリエ』の講師です。

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