童具館プレイルーム/会員様のお便り
まさかこんなにも長くアトリエに通うことになろうとは思いもしませんでした。
友人に誘われて1回きりのつもりで夏アトリエに参加した当時、長男は2歳。繊細がゆえにどこへ行っても「嫌だ、帰ろう」と泣く息子が、初めて「また行く」と言った時の衝撃!正直、大変なことになった!と思いました(自宅から1時間以上かかるので)。でも頭から足の先まで絵具だらけになって目をキラキラ輝かせてそんな事を言われたら、続ける選択しかありませんでした。
長男はいわゆるHSC(人一倍敏感な子)ですが、当時はそんな言葉も知らず、戸惑うことの多い子育てでした。なぜ他の子と同じようにできない?なぜこの子だけ?と悩み、思い詰める日々に救いの手を差し伸べてくれたのがアトリエです。神経質で慎重すぎる一面は、繊細で思慮深い長所だと褒めてもらいました。
5歳頃には、ドラえもんのひみつ道具の仕組みを考え、「あれは石膏で出来ていると思う!」などと言う面白い子に育ちました。そのままの自分で良いのだと、活動を通じて繰り返し全力で伝えてくださる先生方には感謝しかありません。
和久先生の『子どもの目が輝くとき』は今でも私のバイブルです。「すみれはすみれだからすばらしいのです」という一文に涙した日から、私の子育ての軸が定まったように思います。
次男は物心ついた時にはすでにアトリエに通っており、おしゃべりがやっと出来るようになった頃には、黒い服の男性を見かけると誰に対しても「わくしぇんしぇい」と言っていたのは愉快な思い出です。
積木遊びは日課で、工作も何時間でも集中してやっています。無いものは作るのが当たり前とでも思っているのか、家庭でも幼稚園でも常に何かを作っています(同じくらい壊して怒られてもいますが)。我が子ながら、その創造力を尊敬しています。彼の未来が楽しみです。
楽しかった親子クラス、親離れに苦心した幼児クラス、長男と次男別々に週2日通った忙しい日々、コロナ禍のオンライン、兄弟一緒のクラスで大騒ぎ…。体調不良の私に代わって当時小学1年生の長男が保護者として親子クラスに参加させてもらったこともありました。乗る電車を間違えて遅刻し、次のクラスに入れて頂いたことも何度か…。その度にいろいろな形で助けて頂き、私達は今日まで続けることができました。
実は長男は先日、大好きなアートクラスをやめて英検の勉強に専念するのだと宣言し、皆を驚かせました(英語の先生と追加の授業まで勝手に決めてきました)。急な終わりにショックを受ける私に対して、長男は「終わりではなくてまた戻るから今はお休みするだけ」と飄々としています。正直さみしいですが、10歳にして自分で自分の道を切り拓きはじめているのだと、やるとなったら全力を注ぎ込む子、しなやかな生き方の出来る子に育ててくれたのは他でもないアトリエではないか、と思い直しました。そういうわけで、しばらくは次男とアトリエデート、というのが今年の我が家のアトリエスタイル!?になりそうです。
いつも両手を広げて迎えてくださる先生方、私が勝手に同志と思っているアトリエ保護者の皆様、偉大な芸術家の子ども達、どんな話題にも付き合ってくださるスタッフの方々との思い出は、全てが愛おしく、一生の宝物です。本当に有難うございます。これからも末永く、よろしくお願いいたします。
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