童具館プレイルーム/会員様のお便り
アトリエの入り口を一歩入ると、そこから先は一気に創造の世界へと導かれていきます。日頃のストレスを発散し、自分らしさを取り戻す時間、そして新しいエネルギーを補充してもらえる場所。どんなときも、自分が自分であることを確認できるところ。
うちの子どもたちは、小学校に入学した当初、なかなか学校生活に馴染めませんでした。学校という環境に違和感を感じ、悶々と過ごす日々。長女のときは、まず幼児期のイキイキとした輝きがなくなりました。なんの自己主張もせず、まるで箱の中にきれいに収まったりんごのように周りに合わせるだけ。その姿が不憫で仕方がありませんでした。粒ぞろいのりんごの一つとなってしまったこの子には、なにが必要なのだろう。この子にとって幸せってなんだろう。その答えを見つけるために、アトリエに入会したのが5年前のことでした。
弟のときは、対照的に、箱に収まりたくない気持ちが強く、反発してしまいました。学校生活に適応できず、担任の先生から聞かされる話は、耳の痛いものばかりでした。指示に従わず、自分勝手な行動をしたり、トラブルを起して暴れたり。さらにはお友達に危害を加えてしまったり。この子はいったいどうなってしまったのか。どうにかしなくては、という焦りと苛立ち。解決策が見つからず、不安な日々が続きました。
このように極端にタイプの違う姉弟でしたが、二人ともアトリエでの創作活動を通し、少しずつ変わっていきました。最初は戸惑いながらも、作品作りに没頭することで、素の自分と向き合うことができるようになっていく。ありのままを受け入れてもらえる安心感を得て、なんの遠慮もなしに、自分にしかないひらめきやこだわりを発揮できる。自由にのびのびと活動できる環境だからこそ叶えられることだと実感しています。完成した作品は、成長過程の一瞬一瞬を凝縮したものです。子ども時代を生きた証です。
今は、6年生と2年生になり、二人とも学校生活とはうまく折り合いをつけて楽しくやっています。それでも一つ言えることは、与えられた環境にただ染まるのではなく、自分という個性をしっかり持てるようになっているということ。この経験を通して、どんな環境でも生きていける芯の強さを身につけているように感じています。
恐竜と宇宙が大好きで、世界遺産オタクの息子の欲求を満たしてくれるのは、世界中探してもアトリエ以外にないでしょう。内面に秘めたものが力いっぱい溢れだす作品には、いつも圧倒されます。世界とのつながりを感じ、自分を信じる力を与えてくれます。作品の一つひとつが我が子の分身といえるくらい愛しいものです。私にとっては、子ども時代の感覚を蘇らせてくれるものであり、子どもにとっては、大切な子どもの感性をいつまでもキープする必需品です。つまり私たちの原点です。
私が探し求めていた答えは、たしかにアトリエで見つけることができました。ありのままを認め、一人ひとりの輝く個性を思いっきり引き出してくださる先生方には、いつも感謝しています。子どもたちのこれからの成長に期待しつつ、でも、いつまでも変わらずに持っていてほしいピュアな部分はずっとそのままに、育っていってほしいと思っています。
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