横浜港北プレイルーム/会員様のお便り
「お母さん、えいすけ君は天才ですよ!」その言葉に、私はずっと救われてきました。
私は姉妹で育ち、学校や職場も主に女性に囲まれて過ごしてきました。ですので、天真爛漫で好奇心旺盛で活発な長男を授かってからは驚きと戸惑いの連続。「振り返れば奴はいない」そんな日々の中で、3歳だった長男が目を見開き、周りの音が聞こえなくなるほど集中した遊びが某有名ブロックでした。シンメトリーに形づくられた数台のカラフルな戦車が、白いフローリングに並び、体を小さく丸めて戦車と同じ目線になった息子が、顔を紅潮させ満面の笑みを浮かべた姿は今でも鮮明に覚えています。『立体の力は小学校低学年までに!』当時の私は、そのように情報収集しており、息子が好きなブロックから立体を感覚で学べる習い事を探していました。そこで、ふと目にしたサイトが"童具館"でした。目にした作品に一瞬で心を奪われ、家から車で30分。村田先生へたどり着きました。そこで、積木や造形に無我夢中になれる体験と、自由度の高い作品にとんでもない無限の楽しさがあることを親子で知ることになりました。
ある時、デッサンのはずができあがりのモデルとは似ても似つかない絵に、思わず「ひゃ〜!」と思った私を前に、先生がとても嬉しそうに楽しそうに、それが描かれた過程を話されたのです。私には「衝撃!」の他ありませんでした。子どもらしさの価値、制作過程への愛しみ、そして、作品の出来栄えを勝手に押し付けないことの大切さを教えていただきました。
カラフルではない積木は、彼に想像力とひらめきを芽生えさせ、連結させることのできない形は慎重さと緊張というワクワクを与え、最後は必ず片づける決まりは、永遠ではない作品への愛情と次の作品への意欲を湧かせました。そして、3歳下の弟の不意打ちの取り壊しにも「もっといい物をつくってやる!」という男前な気概をも身に付けさせてくれました。
以前の私は、伸び伸びさせたいと思う反面、世間でいう"いい子"になるよう息子を導きたい母でした。ですので、息子の参加態度が悪かったり、集中力が続かないなどを目にすると、「頑張って連れてきているのに!」と勝手に怒ったりもしました(今はその行動に反省しています)。そんな時、先生はいつだって、息子を優しく見守りながら「彼のこんなところは本当に恐れ入りますよ!天才ですよ!」と私の目をしっかり見て言い続けてくださいました。その言葉は、不安で先の見えない子育ての中、どんなにも心強かったかわかりません。
通い始めて今年で4年。今では車で往復3時間の道のりになりました。去年から息子は、洋服などが絵の具で汚れることが嫌になり、少ししか活動に参加しない日もあります。以前の私なら、「せっかく来たのに!」と小言の1つや2つ言っていたかもしれませんが、今ではそのままの息子を受け入れられ、息子の"楽しい"を心からサポートしたいと思い、アトリエでの"夢中になる時間"を死守したい気持ちにすらなっています。
昨年テレビゲームを購入した際、デジタル機器が彼の頭を占領していくのではないかと不安を覚えました。ですが、アトリエや自宅でつくった積木作品を画面上に正確に創り上げ、発展させていく様子を見て、培ってきた様々な力がごく自然に発揮されることに感心しました。そして、思考はすっかり変わりましたが、四年前に私が求めていた"立体の力"も着実に育まれています。心も身体もワクワクするけど枠なしの、どこまでも自由なものに解放してくださったアトリエと先生方には、親子でとても感謝しています。
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