横浜港北プレイルーム/会員様のお便り
友人の紹介で童具を知り、息子は生後八ヶ月の時から童具に親しんできました。特に好きなのはカラーボールで、転がしたり叩いたり。今でも大好きな童具のひとつです。童具で遊んでいる時の息子の顔は、他のどんなおもちゃで遊ぶ時よりも輝いているように見えました。そんな様子を見ていてすっかり童具に魅了された私は、一歳七ヶ月になったらアトリエに入れようと心待ちにしていたのです。
ようやくその時を迎え体験に訪れた日、息子は球体が転がる様子をとても楽しそうに見つめて遊んでいました。しかし粘土や絵の具が出てくると一変、どんなに促しても少しも触ろうとしませんでした。もともと観察型で、自分の中で「できる」と思える時まで慣れない事には挑戦しない息子。これまで家で絵の具や粘土を触らせてあげた事がなかったため、様子をうかがっているのかなとその時は思いました。先生にも「大丈夫ですよ」と声をかけていただき、すぐに慣れるだろうとその時は思いました。
しかし結局最初の一年は私の膝の上で見ていることばかりでした。「やってみる?」と聞いても「やらない!」の一点張り。絵の具やボンドがちょっとでも手に付けば、すぐに「洗う!!」と水道へ。
いつしか「すぐに慣れる」から「いつかやるだろう」と思い直すようになり、その日を待ち続けることにしました。しかし作品はいつも私が作ったようなもの。いつになったらやるようになるのかと少し寂しく感じる事もありました。
通いだしてちょうど一年が過ぎた頃、家でも絵の具をやらせてみようと思い、大きな画用紙と絵の具を用意し「お絵かきしてみる?」と声をかけてみました。するととても嬉しそうな顔で「うん!」と元気な返事が。そしてアトリエでは断固として嫌がっていた絵の具で、とても楽しそうに遊びだしたのです。
もしかしたら本当はずっとやりたかったのかもしれない。でも先生やお友達が見ている前でちゃんとできるか、息子なりに不安を感じていたのかも知れません。その日をきっかけに、時間があれば絵の具や粘土で遊ぶ時間を作りました。
それから少し経ったある日、活動中に突然「お母さんはあっちに行ってて。村田先生とやる!」と言いだし、先生に助けられながら息子は頑張って作品を作りました。
嬉しい反面、「あっちに行ってて」と言われ、好きなようにやらせてあげようと思っていたのにあれこれ口出ししてしまっていたのだなと反省しました。この頃から息子の様子が少しずつ変わってきました。これまで絵の具を塗る時は、端から順に出して一筆サッと塗ったら終わりだった息子が、急に順番関係なく絵の具を出し、とても真剣な眼差しで最後まで筆を動かすようになったのです。
そして今年の四月、初めて全身絵の具まみれになりながら造形活動を楽しむ姿を見ることが出来ました。
「ついにこの日がきた!!」そう思いました。先生や私だけでなく、一緒に活動してくれていたお友達もみな喜んで息子の様子を見守ってくれました。
息子は村田先生、しずか先生、そして一緒に活動するお友達の事が本当に大好きで、通うのをとても楽しみにしています。制作活動にあまり参加しなくても、迷うことなく通い続けることができたのはそのおかげです。
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