全国から寄せられた新しいお便り
アトリエに出会ったのは、息子が幼稚園の年中の時でした。彼は生まれた時から成長がゆっくりで、集団に入ることが苦手でした。思いがけないことに躓き、なかなか安心していられる場所が見つからず、親として悩み続ける日々でした。彼が好きなことを、彼らしくできる場所を探していました。様々な習い事や通園通学先を模索する中で、わくわく創造アトリエの体験にめぐり逢いました。それまで、新しいことを始めても場所や先生と馴染めず、すぐに断念することが続いていたので、期待はしないようにしていました。
迎えた体験の日、初めて会った先生と初めての場所で、彼は小さな木片を組み合わせて車を作りました。それを絵具で色とりどりに塗って、得意気に走らせていました。ここだったら彼を受け容れてくれるかもしれないと感じ、やや遠方ではありましたが、入会することを決めました。
それから早7年が過ぎます。植物や動物を描いたり、川で生き物を捕まえたり、畑で育てた作物を料理したり、先生や友達と一緒に様々な体験を重ねてきました。なかなかアイディアが浮かばなかった日や、友達と諍いになった日もありました。しかし、彼は一度もアトリエに行きたくないと言ったことがありません。彼にとって、これは特別なことだと感じています。特に昨年の、アトリエの庭にビオトープを作る活動には関心を傾けていました。普段から何気なく見つけた植物や生き物をアトリエに持っていきたいと集めたり、調べたりするようになりました。蛙や昆虫にも触れるようになってきました。
先日、道端で衣服や動物の毛に付着して種子を運ぶ、所謂「ひっつき虫」を見つけた時のことです。彼は、これをアトリエに持って行って、友達と一緒に先生の背中にくっつけたいと言って、楽しそうに集め出しました。家族以外の人に自ら働きかけていくことや、自分から提案することは少ないので、先生にはご迷惑かと思いましたが、様子を見守っていました。彼が自分のことを受け容れてくれる大人として先生を選び、安心して自分のしたいことができる場所としてアトリエを選んでいるのだと感じました。
親と歩んできた幼年期がもうすぐ終わりを告げようとしています。彼はこれからもアトリエでの活動を続けていきたいと言います。この先は親の手を離れ、社会の中で家族以外の人との関わりをたくさん持つ時期に入ります。ふと迷ったり、悩んだりした時、自分を表現できる場所があることや、自分を受け容れてくれる場所があることが、彼の成長の支えになってくれればと、今、願っています。
宜しくお願い致します。
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