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神戸岡本プレイルーム/会員様のお便り

友達との制作

神戸岡本プレイルーム
保護者会員 中村 伸子 様
小学生コピカ 宗一朗くん(8歳)

神戸岡本プレイルーム

息子は幼い頃から一人で遊べるマイペースな性格でした。遊びの相手をするよう要求された記憶もほとんどありません。ただ見守るだけだったように思います。はさみやテープが使えるようになると、段ボールやラップの芯、色紙などで宝箱や剣、盾やパラセイルや剣や剣や剣…をコツコツと作り貯めていました。一つできれば「いいのできたよ」と見せに来てくれます。一本の剣を数日かけて手直しすることもあります。私も少しは「母はできる」というところを見せたくて、絵の具を出して一緒に作品の完成度を上げるべく着色に励みました。マイペースという素養を、個人の創造世界を構築するうえで大切に思っていた私は、彼の遊び方を微笑ましく感じていました。
そんな彼は家族内で最年少であるため、休日には母、父、姉それぞれから各々のお供に誘われます。幼い頃には素直に誘いを受けていた彼ですが、年長頃になるとためらう態度を見せるようになりました。「今日はこれをしたい」という目的が見えている様子でした。「これはまずい」と思いました。彼のペースを崩す存在が身近にいることが少し心配になってきました。
その頃、わくわく創造アトリエの集中講座に参加することができ、和久先生のお話を伺う機会に恵まれました。
講座で印象に残っているのは、「子ども達には、彼らが満足するまで思いきり遊ばせてあげなさい」というシンプルながら、達成するには何重にもなる壁を突破しなければならない言葉でした。頭では理解していても、実行し続けることが難しいと思っていました。
そこで、休日は自分だけの時間を欲しがるようになっていた彼に「アトリエに行こう」と誘い入会しました。作ることは好きだし、いろんなことを自分なりに楽しめる彼なので、じっくり創造活動をしてもらおうと思いました。
入会した彼ですが、何かを作るとなると少し手間のかかる凝ったものを作ろうとするので、しばしば活動時間が延長されます。先生は本人が納得するまで待ってくださいます。本人の手が止まり、少し悩んでいるタイミングで助け舟を出してくれるのです。まさに和久先生が話してくださった言葉通りです。活動時間が過ぎていても、必要な材料や道具があれば探し、使い方の工夫を提案してくださいます。最後まで粘り強く付き合って下さり、完成させた達成感をきちんと実感できるよう、彼に向けた彼だけのための言葉をかけてくださいます。最後まで集中する時間を持つことができているようで、安堵と喜びを感じています。
幼い頃のように積木や造形でもコツコツと個人作品を作ることを好むと思っていましたが、最近では予想に反して「個人作品より集団作品が楽しい」と話してくれました。友達と一緒に創作する方が集中できて、やる気も持続するそうです。積木の活動も好きなのですが、それは友達とつなげることができるからだそうです。私自身は何か作るうえで複数人で行うことを苦手に感じていたので、友達との創作の方が集中できるという言葉を聞くと、彼独自の能力を持っていることを知って誇らしく思いました。アトリエのお友達は、彼にとって創造活動の源となっていることを感じました。いつも一緒に活動してくれているお友達は、お互いの意見を尊重し、アイデアを出し合いながら作品作りに励むことのできる存在で、とても感謝しています。
アトリエの先生、みなさんと一緒に創造活動ができてとても楽しんでいます。今後ともよろしくお願いいたします。

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