加古川プレイルーム/会員様のお便り
今から7年前の体験でのこと。当時二歳前の翔真は活動に興味を示すどころか警戒心剥き出しの拒否的な態度。どうしていつもこうなるんだろうと思いましたが、「やらされることに敏感ですね」とおっしゃった先生の言葉に、子どもの気持ちをみてくれる先生にこれからの成長を一緒に見守っていただきたいと思い入会したのを覚えています。
翔真はやりたいこと、やりたくないことがはっきりしていて自分の気持ちに素直なのですが、当時の私は、やりにくくて大変な子どもだとずっと思っていました。
しかし先生は「今の翔真らしさが失われないように見守って行きましょうね」とありのままの翔真を受け止めて下さいました。そのような環境の中で作る作品は翔真そのもの。だから、それを認めてもらうことは自分自身を認めてもらうことなのだと思います。あれほど拒否的だった翔真が自分のこだわりをみせ「先生見て」とよく言うようになりました。家でも自分で作った積木の家や船やいろいろを「作品」と呼ぶようになりました。今から思うと自己肯定感の芽生えだったと思うのです。
それでも、その時の私はまだ翔真が何を求めているのかに目をむけられず、他と比較し、色々なことを求めていました。気づけば翔真は失敗を恐れて新しいことにチャレンジをしたがらないようになっていました。そのような時に和久先生の講演会を聞く機会をいただきました。そして、翔真の心の闇を作っているのが私だとはっきり自覚し、私が変わらなければいけないと強く思い、素直に子どもと向き合おうと決意しました。
アトリエはホッとできる場所。アトリエが楽しいと翔真が言うようになったのもこの頃でした。ある活動でのことです。画用紙のふちを額縁のように飾る用に四角に切ったパーツが用意されたのですが、翔真は背景余白全てに貼っていました。相当な枚数を一枚一枚バランスも考えながら隙間なく貼って完成させていたのです。自分がこうだと思ったことを信じて最後までやりきった。疲れたと言いながらも自信に満ちたいい顔。翔真のこだわりの強さがキラキラと光ったその作品に心から「すごい!」と感動しました。
家でもイメージがわくと衝動にかられたように絵や積木や工作で表現し始めます。イメージ通りにできた時、気持ちがスッキリするのだそうです。好きなものに取り組む我が子の姿に力を感じ、まさに創造力は生きる力なのだと教えられます。絶対的に信頼している童具の存在、イメージの元になる想像力には絵本の存在も大きく、環境を整えることの大切さも実感しています。
最近、胸が熱くなった翔真の言葉「僕はアトリエに二歳から通ってるねんで!それが僕の自信になってるねん」
私自身も長い月日をかけてアトリエに育てていただきました。人が幸せに行きていく上で大切なことは何かを教えていただいた。子育てに置ける揺るぎない核心の部分を持てた。アトリエに出会っていなかったらと思うと感謝しかありません。
今、ピカソクラスになり、自分より年上のお兄さんお姉さんと活動する中で自分の思うような作品が出来ないと苦しんでいます。でも、翔真なら大丈夫。きっとこの壁を乗り越えられる。ただ信じて見守るだけです。
そして活動中、大好きな絵本を読んで待っていた弟の創生もついにアトリエやりたいと言い、お世話になることになりました。先生方、これからも宜しくお願いいたします。
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