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覚王山プレイルーム/会員様のお便り

僕が卒業宣言するまでは

覚王山プレイルーム
保護者会員 蟹江 仁美 様
      蒼太 くん(10歳)

覚王山プレイルーム

覚王山プレイルームに息子の送迎をするようになって、早いもので9回目の春を迎えました。
小学5年生になった息子は、週1回の活動日には幼児の頃そのままに両手両足裏、時には髪の毛まで絵具まみれになりながら、キラキラした目と満足げな表情で、迎えにきた私と目が合うとニッコリします。
積木の活動日などは学校から帰宅するなり「早く早く!!」とアトリエに一直線に向かいます。
毎回、出来上がった彼の作品は、視点や感じ方など、誰とも同じではない唯一無二のものをいつも見せてくれます。それは見たことがないまったく新しい現代アートのようであったりします。
彼にとっては出来上がった作品の出来栄えより、創造するプロセスがどうであったか、満足いくだけ素材と触れ合えたか、そこを最も大切にしながら活動に取り組んでいるのだと、以前先生から伺ったことがあります。
親もそうですが、教育や子育ての場では決められた完成形により近づくことに重きを置き、その出来栄えで子どもの評価をしがちです。そこに子どもの強い個性の色を出すことは多くの場合良しとされず、評価の対象とされることもありません。幼児期にアトリエと出会い、無心で好きなことに取り組んだ成果を通し我が子の素晴らしさを実感することができたことは、親として心から幸せなことです。
唯一無二の感性を持った我が子が生み出す作品は、誰かと比較することなど本当に無意味で、アトリエで夢中にとことん素材と向き合い、時には一人で、時にはみんなで、偶然の色や形の面白さを楽しみ、その時その場でしか生み出せないものを創造する。没入して無心に“探究”をして生み出された作品は、心の底から楽しそうでのびのびとしており、いつ見ても新鮮で飽きることがありません。
健やかで伸びやかな空気に満ちたアトリエの中で、活動を終えた彼や仲間達の表情は、どの顔も明るく晴れやかです。
高学年になり、幼い頃から共に活動してきた仲間も続々とアトリエを卒業していきました。
彼は「僕がとことんやり切った、もうアトリエは卒業する!と卒業宣言するまでアトリエには通い続けたいんだ」と言っていますが、その日がいつか来るのだな、と考えると楽しみでもあり少し寂しいようでもあり、複雑な気持ちになったりします。
ところが先日彼は「あのね、僕、将来なりたい仕事が見つかったよ。アトリエの先生になりたいんだよ!」と満面の笑みで教えてくれました。そうか、そうですね。卒業宣言はまだまだ先になるようですね。実現すればあと何年お世話になることになるのでしょうか。
唯一無二の感性と可能性を持つ息子の未来が楽しみで仕方ありません。

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