品川大井プレイルーム/会員様のお便り
「明日はアトリエがあるよ」と息子の隼和に伝えると「やったーアトリエだ!」と弾んだ声で喜び、満面の笑みをこぼします、「アトリエ」という場所は隼和にとって、わくわくする場所であり楽しいことが待っている場所なのです。
童具とアトリエに出会うまで私の中で子育てに対して様々な迷いや葛藤がありました、理想の将来像を作り、そこに向けて隼和には頑張ってほしいと私の身勝手な思いを押し付け、隼和の気持ちを聞くことはありませんでした。
習い事での隼和のやる気ない顔と、思うような成果が出ないことに私がイライラをぶつけ、なぜ出来ないの?何で頑張らないの?と思い通りにならない我が子を責め、悲しそうな隼和の顔を見た後は自己嫌悪に陥っていました。
あのころを思うと今でも本当に申し訳ない気持ちになります。
そんな中、インターネットで童具館の存在を知り、HPに書かれている内容に心を惹かれてWAKU―SHOPを訪れました、初めての場所でしたが童具の持つ温かみに癒されたのでしょうか、何だかとても心が休まる感じがあったのを覚えています、先生から童具のお話を伺い、童具のすべらかな質感とぴたりと揃う美しさに魅せられ、隼和にも童具に触れてほしいと胸が高鳴りました、そして先生からアトリエがあることも伺い、翌週には大井町のアトリエに体験参加をしたのです。
アトリエは隼和がとても好きそうな場所だと私は思ったのですが、実際はどうなるか分からないこともあり隼和の反応がとても気になりました、今までのこともあるので、もし本人が嫌なら無理強いはしないつもりでしたが、私の心配をよそに隼和はクラスにもすぐに慣れ、その日の創作活動に没頭し作品を作り上げたのです、透明な板にセロハンを貼りステンドグラスの様な素敵な作品が出来上がりました、真剣な顔で一枚一枚セロハンを選んでいる隼和はとても集中していました。自分で選んで構成を考え、そして形にしていく過程を楽しんでいる様子でした。またその後の絵具を使った作品制作にも嬉々として参加しています。絵具だらけになって思いのままに色を塗る隼和の姿に開放感が見えました。
今までの私の概念はいかに汚さないように遊ばせるかだったので、まるで逆の状況に、最初は戸惑いつつも、最後は子供たちの笑顔にこれでいいんだと納得しました。
そして、あんなに生き生きとした隼和の顔を見たのはいつ以来だろうかと思うほど、アトリエでの体験は充実感に満ちていました。
隼和と私の気持ちは一つになり、何の迷いも心配もなくアトリエに入会することにしたのです。
それからというもの冒頭のように隼和にとってアトリエは心躍る場所となり、毎回の活動が彼の創造力や個性を引き出してくれています、お料理も活動を通して好きになったようで、嬉しいことに台所に立つ私のお手伝いを自ら進んでやるようになりました、玉ねぎの皮むきや、卵を割って溶いたり、ニンジンの皮をピーラーで剥いたりなど、少し手を貸せば出来ることはやってもらい、できるだけ隼和の自主性を尊重するようにしています。今ではお米を研いでお水を入れ炊飯器にセットするまでを二人でやっています。
今までの私でしたら「無理だからやめなさい」と手伝わせなかったでしょう、しかしアトリエでの活動は少々危ない道具も先生方の指導の下、子供達は使いこなし、時には痛い思いもするかもしれませんが、確実に出来ることを増やしています、そんな中で私が隼和の出来ること出来ないことの基準を設けるのは間違っていることに気が付きました。
童具での遊びでも気づかされたことがありました。隼和は積み木を高く積んで遊ぶことをせず、積み木で作った円の中にビーズを流し込んで、積み木の船を浮かばせて遊んだり、道路をつくったりと平置きでの遊びを好んでしていることに私は物足りなさを感じていました。積み木は高く積んで遊ぶもので、大きな作品を作りあげることが遊び方なのだと積み木に対してのイメージを持っていたのです。
それをある機会に童具館の先生に相談したところ、先生は開口一番に「お母さん それでいいんですよ」と仰り、「高く積めばいいってもんじゃないんです、隼和君はとても創造的な遊び方をしていますよ、素晴らしいじゃないですか」と言葉を続けられました。私は積み木を高く積むようにさせるアドバイスを期待していたのですが、先生のその言葉にハッとしました。そうか どうして違う目線から見られなかったのだろう、隼和は見立て遊びが好きだから積み木とビーズで海をつくり船を航海させていたんだね。道路は高速道路のつもりだったのかな、ボーリング遊びも好きだよね。と今までの遊びの場面が思い起こされました。私の概念と、思い描く遊び方を押し付けて、隼和の遊びの幅を狭めるところでした。
今では、〈くむくむ〉も好んで遊ぶようになりトンカチを叩きながらロボットや貨物列車などを作っています。先日は私と二人、アトリエで作成していたお城を家で再現しました。もちろんだいぶ小さめですが、私は天守閣、隼和は石垣担当と二人で一緒に作品を作る楽しいひと時を過ごしました。今では童具とアトリエは我が家の生活の一部となっています。
私は隼和に対し口や手を先に出さないように、見守る姿勢を心がけるようになりました。まずは本人が考え行動することを待ち、親が選択しすぎないように必要な時に手を差し伸べられるように努めています。
「ママ 大好き!」と言って甘えてくる隼和をギュッと抱きしめ「ママも大好きだよ」と答える日々が今はあります。隼和には自分の可能性を信じ力強く人生を歩んでもらえれば充分です。
そして、隼和が通っているアトリエの小島先生はいつも優しいお顔で隼和を温かく見守って下さり隼和も先生が大好きです、子供達がのびのびと自由に活動や発言できる場所を築いて下さっているので安心しておまかせすることができ、本当に感謝しております。
童具とアトリエに出会えたことを幸運に思い、これからも隼和のわくわくする場所、そして人生の宝物になるであろうアトリエに通い続けたいと思います。
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