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創造共育宣言 第1章-2

新しい子どもの誕生

人間が求めるもの-A

 その一つは、最愛の存在(多くの場合は母親や父親)への信愛の情が裏切られること。

そして、やりたいことができずに精神的自由が極端に軽視されること。

 つまり、「愛と自由」を失い、生きることへの希望がもてなくなって、自分自身への愛(自己肯定感)さえかき消され、結果として正常な精神が保てなくなる──この時、人間は人間として生きていることの実感がなくなり、存在理由が失われます。いみじくも透明人間と自称した少年もいました。そのため存在理由を自己確認する願いが強まり、ただそれだけのために他者の生命を断ち、事件を起こして「目立ちたかった」と言ってのけた少年もいます。
 そして、その一方での自殺願望。とくに高齢者・青少年の自殺の増加は見るに忍びないものがあります。いまほど人との接触が可能な時代はないはずなのに、コミュニケーションツールが増えれば増えるほど反比例するように人の心は孤立化しています。その中で生きる充足感は失われ、不安ばかりが増幅されて死を選ぶ。これが40億年の生命の歴史の果てに人類がたどり着く世界なのでしょうか。私はそう思いたくありません。かならず人間の社会ははるかに魅力的になる、そう信じています。信じるようにさせてくれたのは子ども達です。

 人間の本来の姿は人間の原点である子どもの中にある、そう思うことはあながちおかど違いではないはずです。その子どもが求めていたものが愛と自由でした。それは子どもに限らず、ほとんどの人間が求めているもののはずです。
 愛と自由──昔から多くの人が言ってきたことです。誰もが口にすることです。しかし、その言葉の意味することを理解するのに、私には60年の歳月が必要でした。
 自由になるということは、心から願っていることを可能にすることです。それは、その人ならではの他にない人生を構築していくことにつながります。そこに存在理由は生まれます。  
 この自由を手にし、実りあるものにする能力が創造力なのだと私は思い至りました。創造共育に向かった理由はそこにあります。
 創造力を発揮することによって人間は、同じところにとどまることなく、常により豊かでより確かなものを求めて行動するようになります。そのために、あらゆる情報を駆使して、新しい世界を拓こうとします。結果として必然や調和に敏感になります。そして、その延長線上に、すべてに網の目のように張りめぐらされている「つながりの原理=共生の原理」を直感し、そこに「愛の原理」を感得します。
 やがて、つながりの原理、関係性の原理の中で生かされている自分の存在理由を感じとり、自分の生命を他を生かすことによって生かそうとする素直な気持ちが湧いてきます。

(和久洋三著/『創造共育宣言』より抜粋)

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